スペインのスパークリングワイン「カバ(カヴァ)」の4つの魅力

スパークリングワインの中でも外せない存在のカヴァ。
本記事では、スパークリングワインのひとつであるカヴァの特徴や、シャンパンとの違いなどを解説します。おすすめの銘柄も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
なお、スペイン語ではカバの発音に近いといわれますが、以下ではカヴァと表記しています。
スパークリングワインの「カヴァ」とは?
カヴァとはスペイン産のスパークリングワインのこと。
スパークリングワインのなかで、シャンパンに次ぐ世界2位の販売本数を誇る人気の銘柄です。
- 辛口ワインが多く和洋中のジャンルを問わず食事にあわせやすい
- さっぱりとした清涼感があり、ほどよい酸味で飲みやすい
- クセになる個性的なアロマがある
- 数千円代からあるためコスパがいい
カヴァは[Cava=洞窟]が語源です。カヴァの主要生産地であるカタルーニャ州の公用語であるカタルーニャ語でワインセラーを意味しています。
カヴァの95%がカタルーニャ地方で生産されている
カヴァの約95%が、スペインのカタルーニャ地方で造られています。
とくに有名なのはカタルーニャ州のサン・サドゥルニ・デ・ノヤにある2大生産者「フレシネ」と「コドーニュ」が数多くのカヴァを生産しています。
どちらもデイリーワインで楽しめるカヴァを数多く生産しています。
通販はもちろん近所の酒屋さんやスーパーで取り扱っているお店もあるので、ぜひ一度試してみてください。
辛口ワインが多くお食事にあわせやすい
大半のカヴァは辛口です。
理由はスペインの気候が関係しています。
スペインは日照時間が長く、比較的温暖な地域。
ブドウが熟しやすく糖度が高くなりやすく、ブドウの糖度は元から高いため、補糖(発酵前のブドウに糖を加えること)する必要がなく、結果的に辛口が多くなります。
カヴァはさっぱりとした清涼感と、フルーティーな甘味のバランスが特徴。
飲みやすく、和洋中とお食事にあわせやすく、コスパのいい手頃な価格帯が数多くあるため、デイリーワインとしてオススメです。
シャンパンと同じ瓶内二次発酵方式
カヴァはシャンパンと同じ瓶内二次発酵方式です。
スペインのワイン法で瓶内二次発酵方式以外で造られたワインはカヴァとは呼べません。
瓶内二次発酵とは、発酵したワインをボトルで二次発酵させる手間暇のかかる方式です。
代表的なガヴァのぶどうの品種
数多くのブドウが使われているのもカヴァの特徴です。
シャンパンならシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエが99%を占めていますが、カヴァは9種類が使用されており、さまざまな味わいを生み出しています。
- 黒ブドウ
ピノ・ノワール、ガルナッチャ、モナストレル、トレパ - 白ブドウ
シャルドネ、マカベオ、チャレッロ、パレリャーダ、スビラ・パレン
上記の中で白ぶどうのマカベオとチャレッロ、パレリャーダがカヴァの主要品種です。
カヴァのカテゴライズ
カヴァは熟成期間やブドウ畑などを基準に以下のようにカテゴライズされています。
- カヴァ・デ・パラヘ・カリフィカード[Cava de Paraje Calificado]
特別な畑のみでつくられたカヴァのみ。最低36か月の瓶内熟成、手摘みでの収穫、最大収穫量などが決められており認められているのは10カヴァのみ。辛口ワインのみです。 - カヴァ・グラン・レゼルバ[Gran Reserva]
最低30か月の瓶内熟成が必要です。残糖分量が1Lあたり12g以下の辛口ワインのみが該当します。 - カヴァ・レゼルバ[Reserva]
最低15か月の瓶内熟成を行ったもの。泡がクリーミーでアロマのような風味を感じられるのが特徴です。 - ヴィンテージ[Vintage]
最低9か月の瓶内熟成に加えて単一年のブドウを使用したもの - ノン・ヴィンテージ[Non Vintage]
最低9か月の瓶内熟成を行ったもので、一般的なカヴァが分類されます。 - ロゼ[Rose]
上記のグレードのカヴァを使い、セニエ法(赤ワインに多い醸造法)を用いて製造したもの。シャンパンのように白ワインと赤ワインをブレンドする形では製造が認められていません。
カヴァとシャンパーニュ(シャンパン)の違い
カヴァはシャンパンと比較されることが多いです。
前述のとおり製法(瓶内二次発酵)は同じですが、それ以外はまったく別物です。
産地の違い
シャンパンはフランスのシャンパーニュ地方で作られるワインです。
一方のカヴァはスペインのスパークリングワインであり、ブドウの栽培に影響する気候が大きく異なります。
シャンパニュー地方は、海洋性気候と大陸性気候のふたつの影響を受ける独特の地域。一方のカヴァの生産量の多くを占めるカタルーニャ州は、温暖な地中海性気候です。
ブドウの品種の違い
原料となるブドウの品種も異なります。
品種が違えば当然ながら味わいも大きく変わります。
シャンパンは酸味が強いため糖分を加えることが多い(ドサージュ)ですが、カヴァはなしもしくは少量だけなのも違いです。
味わいの違い
カヴァはシャンパンに比べて酸味が少なく、独特の香りも特徴的。
好みはわかれますが、独特の香りが癖になる人は多く、熟成期間やブドウの品種が多いため、さまざまなアロマが楽しめます。
独特の香りが苦手ならシャルドネやピノ・ノワールなど、他のワインでも使用されるブドウが多く含まれるカヴァから試してみてください。
カヴァの選び方について
カヴァはコスパのよさからも気軽に選びやすいワインのひとつ。
辛口の多いカヴァは、さまざまな食事との相性がよく失敗が少ないので、ジャケ買いもオススメです。
ワインセットから選ぶ
はじめてのカヴァならワインセットがオススメです。
カヴァには独特のアロマがあるため、いろいろな産地のスパークリングワインセットや、赤白泡など満遍なくあるセットが◎
ワインセットなら飲み比べもできるので自分の好みを知るキッカケにもなります。
好みの味わいから選ぶ
カヴァは実に多種多様なスパークリングワインです。
辛口が多いものの甘口もありますし、ブドウの品種も9種類。好みがわかっていれば傾向から選べばOKです。
カヴァはお料理やおつまみとの相性がいい
辛口の多いカヴァはさまざまなお料理との相性がいいです。
泡のキレがよく、お料理の邪魔をしないため、唐揚げやトンカツなどガッツリ系はもちろん繊細な和食とお相性も◎
スパークリングワインなので乾杯酒としてもオススメです。
まとめ
スパークリングワインのなかでも独自の美味しさをもつカヴァ。
まだ飲んだことがなければ、ぜひ一度試してみてください。独特の香りがクセになり、はまるかもしれません!